革財布好きな人はどこを見ているのか?
素人でも分かりやすいチェックポイントをご紹介します。
財布全体の作り
財布の薄さや歪みの有無は、品質がいいかどうかを見分けるチェックポイントになります。
裏張りをしている
上の写真は同じ財布ですが、裏張りしている部分としていない部分がありました。
薄く仕上げるために、あえて裏張りをしない箇所もありますが、作りがいいブランドは裏張りをしても厚みを抑えます。
Amazonで安く売っている革財布は、ペライチの革を財布の形にしているだけの物が多い印象です。
見た目もちゃっちく、品質や強度も低くなります。
財布を薄く仕立てている
革の裏張りをしている製品は厚くなりがちです。
質のいい革財布は裏張りをしても分厚くならないように革自体を薄くしています。
もちろん財布としての強度は保つ必要があるので、高い技術が必要です。
閉じたときに歪みが無い
財布だけでなく、名刺入れなどにも共通して言える事ですが、
自然に閉じた状態で歪みが少ないです。
逆に、未熟な職人が縫い合わせた後に歪みが出ることがあります。
カードや現金を入れても形が綺麗
財布は現金やカードを入れる為の道具です。
美しさや薄さにこだわるあまり、物を入れたときに不格好になるのは本末転倒。
質のいい財布はカードなどを入れたときも美しいフォルムを保ちます。
表と内装の内外差を計算しているので、
空の時はダボッとせず、厚みが出たときもしっかり閉じます。
カード入れ部分がガタつかないで薄い
革財布で一番分厚くなりがちな部分はカード入れです。
仮にカードポケットが4段あるとしたら、重なる革は10枚になります。
10枚の革を1本の糸で縫い合わせないといけません。
10枚の革を薄く美しく仕上げるには、革漉きと縫製の高い技術が不可欠です。
革の重なりが多い部分のガタつきが少ないのも要チェックポイントです。
ネン引きされている
捻引きとは、カード入れや札入れ、財布の縁に溝を入れること。
捻引きする事で
- 美しく仕上がる
- 耐久性をあげる
と言うメリットがあります。
ヘリに平行してネン引きする事で、財布全体がシャープな印象を与えます。
捻引きはブランドの革製品へのこだわりが見て取れるポイントです。
角多い・丸みがある
財布のデザイン性を高めるために、丸みがあったり、角度を変えている部分があります。
まっすぐな革よりも加工の手間や工数が格段に増えます。
角が多かったり、丸みのある財布は職人の技術が優れている可能性が高いです。
財布の端を見る
財布や革小物の端/断面部分を コバ/へり と呼ばれています。
製品の見た目を左右するポイントでもあるので、職人のこだわりが現れやすい部分でもあります。
コバは職人によって様々な処理を施され、キレイに整えられるのが一般的です。
処理方法は様々ですが、どれがいい/悪い と言うことはありません。
へり返し
ヘリ返しは革で巻き込んで断面を隠す処理のこと。
自然な風合いが出やすい処理方法です。
柔らかい/薄い革で使われることが多い手法。
柔軟性の高い”クロム鞣し”で作られた革で使われることも多いです。
菊寄せ
へり返しは財布の角に革が寄って余ります。
革のたるみを放物線状に折り込む処理を”菊寄せ”といい、職人の技術が光る部分です。
菊寄せのシワの数は13本が最も美しいとされています。
この写真の財布は13本で非常に職人の技術が優れています。
コバ磨き
コバ磨きとは、貼り合わせた革の断面を磨く処理のこと。
タンニン鞣し(硬い)革で多く使われます。
磨くことで耐久性や財布全体の雰囲気がグッと高まります。
革の厚みや硬さによって力加減を調整する必要がある奥が深い処理方法です。
2枚の革が1枚に見えるほど馴染んでいる
腕のいい職人がコバ磨きをすると、貼り合わせた革のつなぎ目が分からないほど馴染みます。
職人のこだわりが見て取れるポイントなので要チェックです。
ただし、磨きの後、塗りでコバを処理することが多いです。
コバ塗り
磨いた後のコバに染料・顔料などを塗り、色を付ける仕上げ方法です。
コストカットのため、磨きをそこそこにして、塗りでごまかす商品も数多くあります。
職人の丁寧な仕事が出やすいポイントでもあります。
革製品を見るときは必ずチェックして貰いたい部分です。
コバを革と違う色で塗っている
黒い革に黒い染料だと多少はみ出てもごまかせますが、異なる色の場合、はみ出すと一発アウト。
コバの色を変えていると言うだけで、作りの品質に自信があると見て取れます。
実際コバの色が異なり、かつ全くはみ出ていない革製品は、他の部分でも作りが丁寧です。
切りっぱなし
コバ処理を全くしない革製品もあります。
未処理の場合、断面が毛羽立ったり、接着面が剥がれたりする恐れがあります。
数万円する革製品ならあまり見ない処理方法です。
レザークラフトなど、手作り作品に多く見られます。
縫製を見る
革を縫い合わせるステッチ(糸)や縫製にも財布の品質をチェックするポイントがあります。
ステッチ(糸)が均一で歪みが無い
腕のいい職人が作った革製品はステッチが均一で美しいです。
逆にあまり技術力の高くないメーカーなら、ステッチの歪みが目立ちます。
革の縁をまたいで縫製している
腕のいい職人が縫製した場合、ステッチ幅が均一なだけで無く、革の縁(捻引き)部分をまたいで縫製しています。
縫い始めと終わりが分からない
技術力の高いメーカーが縫製した場合、糸の始まりと終わりを分からないようにしています。
ステッチ(糸)を革と違う色で縫製している
ステッチと革の色を違う色で縫製している財布は、歪みなどが目立ちます。
あえて別の色で仕立てている財布は、職人が腕に自信があること証でもあります。
革を見る
質のいい革というのは一言で表せません。
- ゴツゴツした丈夫な革
- 繊細で美しい革
- 硬い革
- 柔らかい革
- エイジングしやすい革
- スムースレザー(ツルツルの革)
- 染色していないナチュラルな革
どんな革が良いか?どんな質感がいいのか?
革の善し悪しは人によって異なるので、現物を見て『カッコいい!』『キレイ!』と思える物を選ぶのが一番です。
革については別の記事でご紹介します≫(作成中)